呪文

『かな、お刺身にわさびをたっくさん、付けて食べるの好き!』

就学前、子どもは食べられないようなものが好きでした。
本当に、大人の目の前でわさびのたっぷり付いたお刺身を、ぱくり。
周りの大人は目を丸くして、私の方を見ます。

『これくらい、平気よ!大したことがないんだから!!』

褒めてもらいたい…んじゃなくて、早く大人になりたかったのかな。
認めてもらいたい気持ちが強かったのかもしれませんね。


『これくらい、平気よ』
私の、強くなれる呪文です。

ちなみに、イカの塩辛・わさび漬けなどもパクパク食べていました。
…単なる食いしん坊でしょうか(笑)

失恋、その後

「なんで、私はあんなふうに自分に酔っている人を好きになったのかな…」
と、暫くは毎日のように、考えていました。
その人に未練があるわけではなく、私はあっさり感情がなくなるので、
その人に、と言うよりも、その人を好きだった自分に関心がありました。

元々、たばこを吸う人は好きじゃない。でも、彼は喫煙者だった。
車が好きで、毎日洗車しているような人。私は車は興味ないし。
仕事ができる、と思いこんでいて、いつの間に彼を王子様のように思い、
彼はいつも、「俺はそんな性格じゃない。」と言っていたのを聞きもせず、
彼自身の性格を出させなかった私自身にも問題があるのではないか?
彼を追い詰めて、泣かせて、それでも私の思うようになろうと努力した、
彼を嘲笑する権利は私には、ないはずだ。

彼の中に、私は一体何を見ていたのだろう…


…ある日、気付いてしまったのです。
自分に酔っている、ということは、私自身にも言えること】だと。

自閉症のけんちゃんが、私のきょうだいで。
幼いころから、「かなは、かわいそうかわいそう」と、周りに言われ。
それに反発していたのに「本当は私、かわいそうなの?」と思い。
いじめられ、陰口を言われ、憐れまれ、嘲笑われて、育った私。

私は悪くない。境遇が悪いだけなの。そう思っていた。
でもさ、奨学生の選考面接なんかでは、「自閉症のきょうだいがいて…」
など、都合のよいようにけんちゃんのことを使ってきたじゃない。

何なの、私。一体、何様!?

何か、今回は自己卑下や自己嫌悪とは違う…怒りに似た気持ち。
自分に酔っているのは、私じゃん。やだ、気分悪い。


その職場を辞めてしまった私は、彼に会うことは二度とありません。
もう、一生会うことはないと思います。連絡先も消去してあるし。
でも、彼が今、幸せであればいいな…と、たまに思い出すのです。
そう願えるということは、私が、今しっかり幸せだからです。

失恋

勤務先の施設では、同年代のスタッフ・ご利用者は殆どいませんでした。
私は、皆にかわいがってもらいました。

「かなちゃんもいつか、お嫁さんになるんだねぇ。」
そう言われると、何とも言えない笑顔で返してしまいます。
スタッフ・ご利用者問わずそのように言われるということは、
どこからどう見ても社会人半人前だったのでしょうね(苦笑)

与えられた仕事しかできずに、仕事している理由が分からない私、
傍目から見れば、腰かけ程度に仕事をしているとしか思われなかった…
と思ってしまいますが、仕事の評判はわりと良かったそうです。

勤務先の先輩で、頼りになる人がいました。
尊敬していたのか、淡い恋心か、いつの間にか二人で会うように。
「障害を持つ、きょうだいがいるの。」と自然に話していました。
そんなことは何の問題もない、とその場では言ってくれました。

ひと月に1度程度、二人で会うこと、それ位がちょうどよかった。
職場が一緒だったので、毎日姿は見ることができていたから。

しかし、いつもの「この人じゃない気がする。」の思いは強くなる一方。
二人で会った日も、表面的な会話しかできなくなっていました。

好きなのに。
いつも、別れた後に涙が出ます。寂しいからではありません。
彼の乗っていた、RX-7が暗闇に消えていくと、決まって涙が…

イツカ、コノヒトモ、ハナレテシマウ。ワカッテイル。イツモノコト。


「かなちゃん、聞いてくれ。」ある日、彼は言いました。
「かなちゃんのことが好きだ。でも、きょうだいのことは重いんだ。
好きだから、距離を置いて考えたいんだ。ごめんな。」

彼も、私と別れた後に、いつも切なくて泣いていたと知ったのは、
彼と完全に会わなくなって、しばらく経ってからでした。

彼のことを待っていた訳ではないけれど、特定の彼氏は作らず、
時々は彼のことを思い出してました。そんな中メールがありました。

「かなちゃんのことが好きだから、別れたい。(以下略)」
長々と綴られた彼の気持ち。それを読んだ途端、冷めました(笑)
自分に酔っているだけの人だということが露呈されたのです。

なーんだ…
自分かわいさゆえじゃん。この人も結局。
私が初めての彼女だったんだって。
私が遠くを見ているのが、いつも寂しかったんだって。

仕事ができるのも、私より10年近く前から勤めていれば当然。
尊敬していたと思った自分がばっかみたーい!!妙にすっきり。

こんな失恋もありましたが(笑)、まだ自分は誰かを好きになる、
好きになりたい、という気持ちが残っていたことが分かったので、
次に誰かを好きになった時には、好きになった自分を信じて、
そうすれば相手のことも信じることができるような気がしました。

そう思える人ができるまで、特定の人は作らないようにしよう…

10年近く昔の、お話です。

【夢】よりも、【目標】

大学を卒業したら、実家に戻ることになっていました。
それは…はっきりした約束があったような、なかったような、
しかし、自分で決めて一人暮らしを止めることにしたつもりです。

でも、それもきっと無意識の意識で親の期待に応えたのかもしれません。

通勤先は、自宅から車で40分程度の場所でした。
定時に出勤、定時に帰宅をほぼ毎日できる職場でした。

「福祉系の大学を出て、福祉職に就く」という夢が叶いました。
…【夢】、なのでしょうか。それよりも【目標】の方がしっくりきます。

自閉症のけんちゃんは、このころ入所施設に入っていました。
週末は帰省してきますが、あまり会いません。


ある日、職場の上司に言われました。
「かなちゃんは、これからどうしていきたいの。
どんなふうに仕事をしていきたいと思っているの?」

…それを聞かれた時、即答することができませんでした。
なぜなら、福祉職に就くことが目標だったため、その後のことは…
何も考えていません。勤めていれば、給料をもらえるし、それだけ。
福祉職に就いていれば、親は安心だろうから。それだけ。

私は、人に質問されると、質問で返すという癖があります。
「○○について、どう思う?」と聞かれれば、
「○○さんは、どうお考えなんですか?」と、返す。
そうすると、大体の人は自分の話になり、それに同調していれば、
自分は何も話さないで済むのです。

それから、人がどういう答えを聞きたいかを考えて、それを言う、
ということも癖…というか、習性というか(笑)
例えば、「○○について、どう思う?」と聞かれた時に、
この人は、私になんて答えてほしいんだろう。と、考える。
大体当てられるので、大抵「かなは私を良く分かってくれる!」と
他人には、思われるのです。


しかし、社会人になった途端、「かなちゃんはどう思うの?」と、
私自身の意見、気持ちを発言することを求められるようになり、
その都度、呼吸が苦しくなるような感覚になりました。

「私は、自分の意見がないんだ…」と、気付くのです。

いつも、自己卑下の気持ちを強く持って生きていました。
そして、自分よりも周りの気持ちを優先させていたため、いつの間にか、
自分の気持ちをしまい込むことが当たり前になっていたんです。

気付いた方が良かったのか、気付かない方が良かったのか。


ワタシハ、イッタイ、ナニモノナンダロウ…

tag : 自閉症

学級閉鎖中です…

新型インフルエンザが、私の住む地域でも発生中です。
学級閉鎖となってしまい、家中バタバタしています…

皆様はお変わりありませんか?どうぞお自愛くださいませ☆
プロフィール

かな

Author:かな
自閉症のきょうだいがいる、かなのブログです。姉妹サイトは【わたしは、きょうだい児】http://kaname39.blog68.fc2.com/です。よろしく☆

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